高圧絶縁抵抗測定

設置者にいかにして、高圧ケーブルを交換して
いただけるかが今回のテーマです。

結論から書きますと
以下の日本電線工業会の表をお見せする事です。

この表はよく年次点検などでタグを組まさせて
いただいている先輩から教えて貰いました。

表6-9 高圧ケーブルの耐用年数の目安
      (日本電線工業会:技資第116D)

布設状況 目安耐用年数
高圧CVケーブル 水の影響がない場合 20年以上
高圧CVケーブル 水の影響がある場合 15年

 

以前にも絶縁抵抗の記事でアップしましたが
測定結果
E方式、G方式、弱点比、DAR、シース電流、etc.
試験方法で試験結果が良くても、

上記表の製造から15年を経過した高圧ケーブルは、
交換をするように設置者に伝えて、
年次点検報告書の指摘事項に記載しましょう!

東京電力からは、製造から15年を経過した高圧
ケーブルは問題が多いので、交換を要請され
ているはずです。

このことも記載しておく事も忘れずに。

また、
波及事故の危険性もあり、担当者は当局に呼び
出され、東京電力変電所停止させ、損害賠償の
リスクを負い裁判の係争にもなることを併せて
お伝えください。

現にベテラン電気主任技術者が、最近波及事故
となりました。

高圧ケーブルは、30年経過、パンクしていたそうです。
(穴が開いていて、水トリ―のような状態で水が入り、高圧ショート状態)

経済産業局電力安全課メールマガジン速報によりますと、
東北・関東経済産業局管内で年間約20件ぐらい波及事故
を起こしてます。

自家用電気工作物高圧引き込み需要家は、
全国約95万件。

その内、関東の需要家は約35万件。

さらに、その内、波及事故になるのが
東北・関東経済産業局管内で約20件
(夏場の7月8月に多い)。

少ないと思うかもしれませんが、その内の
1件になり波及事故を起こした場合、
金額にして何千万円の損害賠償を支払わな
ければなりません。

電気管理技術者の指摘通りに、交換していれば
100万円、200万円で済むはずです。

この事を設置者にお伝え出来れば良いかなと思います。

ではごきげんよう

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